第5回 ボッグ

ボッグはミズゴケが優占ゆうせんする湿原しつげんです。ボッグのある神仙しんせんぬま(5月ごろ)の様子を見てみよう。ボッグのなかには池塘ちとう(小さな水たまり)がたくさんあります。

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別寒辺牛べかんべうし湿原しつげんのボッグを次のツアーで見てみましょう。植物が少し赤茶色になっているところがボッグです。

ボッグでは、ミズゴケるい、小低木ていぼく、カヤツリグサ科植物、地衣類ちいるいが主に分布ぶんぷしています。以下いかに北海道のボッグでよく見られるしゅしめします。

主要しゅようなボッグ構成こうせいしゅ: ミズゴケ類
主要しゅようなボッグ構成こうせいしゅ: 小低木ていぼく
主要しゅようなボッグ構成こうせいしゅ: カヤツリグサ科植物
主要しゅようなボッグ構成こうせいだね: Lichen(地衣類ちいるい地衣類ちいるい菌類きんるい真菌類しんきんるい藻類そうるい共生きょうせい
複合的ふくごうてきな生物
主要しゅようなボッグ構成こうせいしゅ: Carnivore (食虫植物)

ボッグには様々なタイプのものがあります。Raised bog、Blanket bog、Valley bog、String bog、Palsa bog、Polygonal bog、Quaking bogなどです。それらは、地形・養分ようぶん特性とくせい・水文 特性とくせいなどによって分類ぶんるいできます。

Raised bogは、すで解説かいせつしたように、わずかに地表面ががったドームじょうのボッグです。

Blanket bogは、地表面が完全かんぜんにミズゴケでおおわれたボッグです。まるで泥炭でいたん土壌どじょう毛布もうふ羽毛うもう布団ふとんをかけたような景観けいかんとなります。Blanket bogは、雨の多い寒冷かんれい地でみられますが、日本にはほとんどありません。

Valley bogは、ゆるやかな谷や凹地おうち発達はったつするボッグです。泥炭でいたん土壌どじょう谷底たにぞこまでまっており、その泥炭でいたん土壌どじょう表層ひょうそうを小川が流れていることが多いです。

String bogは、うねじょうがったスジ(String:ひも)と細長い水たまりで構成こうせいされるボッグです。アーパbogとばれることもあります(アーパ:Aapaはフィンランド語で「沼地ぬまち」を意味する)。このボッグは、わずかに傾斜けいしゃした地形に発達はったつします。日本にもわずかに分布ぶんぷしています。

Palsa bogは、中心部に永久えいきゅう凍土とうどコアを有するひくく丸いマウンドがみられるボッグです。Palsaは、フィンランド語で「氷のしんがあるマウンド」という意味です。Palsa bogは、不連続ふれんぞく永久えいきゅう凍土とうど存在そんざいする極地きょくち周辺しゅうへん分布ぶんぷしています。マウンドの連続れんぞく体はおおよそ高さ0.5~10m、長さ2~500mほどになります。永久えいきゅう凍土とうどのコアが成長せいちょうするほどマウンドは大きくなる傾向けいこうがあります。日本にはありません。

Polygonal bog(多角形のボッグ)は北極ほっきょくとその周辺しゅうへんでみられるボッグです。多角形のパターンは、永久えいきゅう凍土とうど(氷のクサビ)で構成こうせいされます。完全かんぜん永久えいきゅう凍土とうど地帯ちたい分布ぶんぷし、日本にはありません。

Quaking bogは、泥炭でいたんでできた浮島うきしまの上に発達はったつするボッグです。歩くとれます。水位すいい変動へんどうによってこの浮島うきしまが上下します。湖沼こしょう辺縁へんえん部などに多くみられます。尾瀬おぜヶ原湿原しつげんの一部にもこのタイプのボッグがみられます。